2018年に悪かった株式市況、来年はやや良くなる見込み-リフィニティブ調査

世界有数の金融市場データのプロバイダーであるRefinitiv(リフィニティブ)は、アナリスト・アワード2018を受賞したアナリストを対象にした株式市況についての調査を実施し、2018年については悪かったものの、来年は悪くなるよりは良くなるという認識をアナリストらが持っていることが明らかになりました。

2018年株式市況についての問い合わせに対しては、回答者の66 %が非常に悪かったまたは悪かったとし、低迷した模様を映し出しました。前年並みが27%、非常に良かったとの返答はわずかにとどまりました。JPモルガン証券株式会社の姫野良太氏は「年初こそ好調なスタートも、米国の長期金利上昇、保護貿易主義台頭、逆イールド発生等、1年を締めてみれば総じて盛り上がりに欠けた印象」と説明しています。

2019年については、前年並みとの回答が25%にとどまった一方、やや良くなるが44%と、悪くなる(31%)を上回ったことから、どちらかと問えば改善する兆しがあることがうかがわれます。岡三証券の山崎慎一氏は「米中貿易戦争などの悪影響は否定できないものの、原油価格の下落による費用減がディフェンシブセクターを中心に業績の建てなおしに寄与すると考える。また、消費増税が控えているものの、ポイント還元などでそのショックは2020年夏の東京オリンピックが終わるまで先延ばしになると考えられることから2019年は総合すると堅調に推移するのではないかと考える。」との考えを示しています。

本調査では、注目業種として輸送関連や機械などが挙げられました。来年については、米中貿易摩擦や開始が見込まれる日米通商交渉などの外部要因を懸念材料とする向きがいる中で、大和証券の榮哲史氏は「業種を問わず、外部環境によるところでなく自助努力で成長している側面の多い銘柄」に注目していると述べています。

日本の代表的な株価指数である日経株価平均の来年末時点の予想については、回答数は少なかったものの、上限2万4000円、下限1万7000円のレンジで、平均は2万1260円となりました。リフィニティブのEikon(アイコン)によれば、日経平均は今年に入ってから2万円台から2万4000円台で推移しています。

リフィニティブで日本代表を務める富田秀夫は次のように述べています。「2018年は、保護主義に象徴される国際的外部環境の変化に大きく左右された1年だったが、国際政治、経済といったマクロ要因に反応しやすい流れは、今後も継続すると思われます。世界190ヵ国で展開する弊社の国際ネットワークを通じて、正確なニュースを迅速に提供し、株式市場に貢献したいと考えています。さらに、ミクロ面の重要さも踏まえ、企業の財務、非財務情報の提供にも力を入れてまいります。」

注)本調査はトムソン・ロイター アナリスト・アワード2018を受賞したアナリストらを対象に、12月6日から12日にかけて行われました。調査結果は24名からの回答をまとめたもので、株式の売買を推奨するものではありません。

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アナリスト・アワードについて:
「アナリスト・アワード」はリフィニティブのアナリスト・ランキングに基づくもので、投資推奨による収益率および収益予想の正確さを基準にして世界のトップ・アナリストおよび証券会社を評価しています。同ランキングはリフィニティブI/B/E/Sの収益予想データと銘柄推奨データ、およびGICS (Global Industry Classification System) の業種分類を採用しています。本アワードは、1998年より業界で採用されているStarMine(スターマイン)が集計する株式アナリストのパフォーマンス・データを用いて選出されています。今年の授賞者はこちらをご参照ください。評価方法についてはこちらから確認いただけます。

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Refinitiv(リフィニティブ)は世界有数の金融市場データのプロバイダーで、190カ国以上で4万社を超える企業・機関にサービスを提供しています。先導的なデータと洞察、トレーディング・プラットフォーム、市場データ・インフラストラクチャー、オープン・テクノロジー・プラットフォームを通じて、世界の金融市場コミュニティを相互に接続し、発展を支えます。それによりトレーディング、投資、ウェルスマネジメント、規制およびマーケットデータ管理、企業が抱えるリスク、金融犯罪追跡などの分野において進化をもたらす先駆者としての役割を果たしていく所存です。


Source: プレスリリース新着