低予算・裏通り・マシンなし。 ~弱小ピラティススタジオ、和ぴらが生き残りをかけ暴挙に~

(概要)
ピラティス・健康体操の指導を行う身体整えスタジオ和ぴらは9月9日、千葉県柏市にオープンすることが決定しました。コロナの影響によりジムでの仕事を失った母と就活苦戦中の娘が、ピラティスを通じて中高年女性の夢を応援することをテーマにスタジオオープンを決意。しかし予算・立地・設備面では競合大手スタジオに太刀打ちできないため、親子と猫2匹で必死の低予算広報が行われています。

(本文)
9月9日、千葉県柏市にオープンする身体整えスタジオ和ぴら。
その弱小さと必死の広報が話題を呼んでいる。

弱小スタジオ「和ぴら」に勝ち目はないのか?

和ぴらが弱小な理由は大きく3つある。
予算がないこと、立地が良くないこと、そしてマシンがないことだ。

まず予算に関してだが、通常フィットネスジムと言えば小規模の店舗であっても100万以上の初期投資が必要だ。大きい店舗になればその額は1000万以上になることもザラである。しかしながら、このスタジオが初期投資に使える金額はなんと12万円。競合の10分の1以下の金額で戦わなければならない。

また立地条件も決して良くない。身体整えスタジオ和ぴらの最寄り駅は高柳。決して栄えている駅とは言えず、わざわざ高柳に来る人は少ない。さらに裏通りに面しているため広報活動をしなければ人目に触れることが少ない場所である。

またピラティスで使われることも多い専用のマシンも存在しない。

このように極めて弱小に見える和ぴら。しかし本人たちは本気で大手フィットネススタジオに太刀打ちしようと思っている。そのため広報手段がとにかく必死すぎるのだ。

ねこ?Tシャツ?美大生?やけくそ低予算広報

まず注目したのが猫だ。猫の手を借りるということわざがあるが、和ぴらはまさしく言葉の通り猫の手を借りていて猫は和ぴらのスタッフの半分を占める。和ぴらの猫、ぽんずとゆずこしょうは癒しスタッフとしてマスコットキャラとしてはもちろん、インスタグラムも発信中だ。
なぜ猫かというと、和ぴらのお客様である中高年女性は猫好きが多いと思ったからだ。また猫は人件費が極めて安く給料はささみジャーキーで十分。もはや和ぴらに猫スタッフは不可欠である。

次にTシャツ広告だ。和ぴらでも他のスタジオ同様にオープン広告を出したかった。裏通りにあるので広告を出さなければ地元の方に認知してもらえない。しかしもちろん予算オーバーである。そこで低予算で広告を出すには、自分が広告になれば良いと思った。
このTシャツは前側に「身体整えスタジオ和ぴら」、後ろ側には大きなQRコードと「sns掲載可」の文字が書いてあり歩くだけで広告になれる。
実際、背中に大きなバーコードをつけて歩いている人などほとんどいないため非常に目立つ。広報はその恥ずかしさに耐えなければならないが藁にもすがる思いでこのTシャツを着る。

さらに和ぴらのチラシ・写真に関しては現役美大生が作成している。美大生に協力をしてもらったため、低予算でデザイン性の高いチラシを作成することができた。 
美大生と出会ったのは某企業のインターンである。和ぴらの広報は自身が就活生であることを利用して、美大生と知り合うためにデザイン系のインターンへ積極的に参加したのだ。そこで良いと思った美大生をスカウトしチラシ作成に至った。

過激な作戦を取ることに躊躇は無かったか

一般的にピラティス・ヨガスタジオはブランドイメージを大切にする。
この過激な戦略に不安は無かったのか。その裏には親子の強い思いがあった。

広報まりな
「私は母の指導力の高さを信じています。もちろん毎日会う中で欠点も知っていますし、特別なカリスマ性があるわけではありません。でもピラティス講師として一人一人の身体に向き合う姿勢は本当に尊敬しています。母はもともと身体が弱かったんです。だからこそ運動の苦手な方の気持ちが分かりますし、理論に基づいた適切な指導が行えます。」

冷やかしでもいい。一度でも来てもらえれば必ず指導力の高さを実感していただける自信が、和ぴらにはある。この信頼関係があるからこそ、このように思いきった広報ができたのだ。しかし高い指導力があるのになぜレッスンを高価格にしないのだろうか。

広報まりな
「値段を上げれば確かに売上は上がりますが、私達の目標はピラティスを通じ中高年女性の夢を叶えることです。中高年女性はこれまで母として妻として家庭のために尽力してきました。だからこそやっと自由にお金・時間を使えるようになった彼女たちには、自分の夢に多くのお金を使ってほしいと思っています。私達はそれを応援させていただけるだけで光栄です。」

このような思いを基に低予算で高レベルの指導を実現するため、和ぴらは低予算広報を行ったのである。

弱小スタジオの低予算広報。そこには親子の強い信念があった。


Source: プレスリリース新着